気づけば早いもので、私は4月に就職して一か月半経っていた
3週間の研修期間を終え、本配属となってほんの少しずつだが仕事は覚えてきた
会議や出展企業の見学などもあり、新卒社員としてはあまり慣れずに毎日クタクタになって帰ってくる
そして趣味や調理に時間を使えば、あっという間に日付は変わり、就寝する時間となる
私の家は、職場から20分という超近場なのであるが、それでも時間が足りない
あと3時間くらい欲しいと毎日思っている
通勤時間が20分という比較的短い通勤時間にも関わらず時間が足りないのだから、通勤時間が1時間以上で、家庭を持っているサラリーマンにとっては、自分の時間というのはどれだけ短いのだろうか
私の母は、通勤に1時間半を費やし子供を三人育てた上に朝食も作っていた
祖父母と住んでいたこともあり、家事は少なかったのでその点は楽だったかもしれないが、サラリーマンとなった今の私にとって両親は、尊敬を通り越して崇拝するレベルである
働くことの大変さはアルバイトでは分からないだろう
まさに生活が大きく変わるのである
ところで私が就職して一か月半経ち、いくつか思ったところがあった
そしてそのどれもが現在の日本情勢、特に衰退する日本企業の理由なのではないかと思っている
今回はそのことについて書いていきたい
では一つ一つ解説していく
①無駄が多い
私はまだ社会人一か月半という、まだまだひよっこなので社会のことはもちろん、海外のことなどさっぱりわからないので、誤りがあるかもしれないが、日本企業は総じて無駄が多いと思う
例えば、多くの企業でもあることだが、会議の際に作成する議事録などが典型的な無駄の例である
高々一枚の、それも大して重要度の高くない社員の発言を何時間もかけて作成する
それも形式にこだわり、ここがダメだの、ここはこの表現にするだの言われる
私に議事録の書き方を教えてくれた上司はとても良い方だったが、ブラック企業などではボロクソに人格否定されるのだろう
無駄なことはこれだけでない
私が入社してから受けた研修も同様に、いい方は悪いが無駄だと思う
私の会社では、技術職、事務職に分かれておらず文系が技術部に配属されることがあれば、理系が営業部に配属されることもある
そのため新入社員は、配属の希望がどの部署であれ、全ての部署の仕事内容の話を聞くことが研修の一環として行われている
本社だけならまだしも、数年は行くことないであろう別の事業所や関連会社の話まで聞くことになっていたのである
この研修は明らかに無駄だろう
一度も配属されることのない部署の話を聞く必要がどこにあるのだろうか
仕事内容は、もちろん知っていて損はしないかもしれないが、それなら早めに本配属し本来の仕事を早めに覚えさせた方がよっぽど効率的である
私はこのように無駄に思える研修を3週間続けた
無駄を省けば1週間もかからないのである
驚きなのは、去年の研修期間は3か月だったという話である
研修が3か月というのは日本では珍しくない
なぜ会社の指揮をとるお偉いさんはこの無駄な制度に異を唱えないのか不思議である
また最近ではみずほ銀行が「amazonやgoogleを志望するグローバル人材も初めは支店を経験してもらう」という旨の内容を人事部が書いてバズっていた
グローバル人材は支店で仕事をしたいわけではないのになぜ支店で仕事をさせる必要があるのだろうか
これではますますグローバル人材は日本からいなくなってしまう
詳しくは書かないが他にも無駄に感じたことを箇条書きで書いておく
・(精神的に辛い)報告書の作成
・(連絡事項をわざわざ口頭で伝える)朝礼と夕礼
・(窮屈な)ビジネスマナー
・(取引先と会うわけでもないのに)スーツ着用の義務
・(仕事内容を口頭で話し)メモを取らせる文化
・(早めに仕事が終わっても帰れない)定時制
最後に一つだけ、言いたい
私は希望していた部署に配属が決まり、希望通りの仕事(とは言ってもまだまだ仕事ができるレベルではない)をしているときは確かに楽しいが、他の仕事(例えば上記の仕事)は窮屈でとにかくストレスがたまる
ツイッターで見たが、googleなどの天才が集まる世界的な企業は社員につまらない仕事は一切やらせないのだという
なぜなら、社員がやめてしまうからだそうだ
彼らは他でも十分に生きていける技術力を持っているのだろう
うらやましくて、私もそのような扱いをされてみたい
日本では新入社員の技術に関わらず雑用をする文化がある
これが良いか悪いかは別として、このように面白みのない、ましてや無駄にしか思えない雑用をさせている限りは、優秀な人間は日本から出ていくに決まっている
海外には自分の仕事に専念できる企業がごまんとあるのだから
②通勤手当は負担するのに住宅補助は雀の涙ほどしか出さない日本企業
企業の福利厚生の欄を見ると、「通勤費全額補助」というキーワードが多くの企業で見つけることが出来る
一方で、住宅補助を十分にだす企業は、日本にいくつあるだろう
住宅補助を十分に出しているのは、一部と大企業と公企業くらいではないだろうか
日本の通勤事情は異常である
毎朝通勤ラッシュの満員電車で人にもまれながら出勤する
満員電車の1時間は仕事の2時間分~3時間分に匹敵するという内容をツイッターで見たことがある
こんなストレスを受けてから、仕事などやる気も起きなくなって当然だろう
電車が満員になるほど、多くのサラリーマンが電車通勤するにはいくつかの理由があるがもっとも大きいのは、住宅補助が微小で実家通勤を余儀なくされているということだと思う
実際に都内の家賃は安くないし、転職などの事情で実家や持ち家から離れられず満員電車に乗らざるを得ない人もいると思う
企業は、通勤費を全額負担する力があるのなら元の住屋からの交通費の代わりに交通費の8割を住宅補助に充てさせ、通勤費は自腹とさせればよいと思う
より会社の近くに部屋を借りる社員が増えれば、よりストレスの少ない状態で仕事を始められる社員が増え、会社全体の利益は高まるだろうし通勤費を2割削減できる
この政策がとられていないのは、所得税などの問題が絡んでいるのだろうか
フレックスタイム制などで満員電車を回避させる企業が増えてきているが、まだまだその会社の数は少ない
③8時間労働という圧倒的壁
日本では8時間労働制というシステムが多くの企業でとられている
この8時間というのは人間が働き続けることのできる最長の時間らしい
通勤で精神と体力を削ったサラリーマンが8時間も集中して働き続けるなど不可能なのである
しかし日本ではいまだにこの8時間労働制という非効率的な働き方が取られている
いくら好きなゲームだろうと毎日8時間も続けるのは不可能だろう
もしそれが可能ならその仕事は転職である
極端な例を挙げるが、ドイツでは1日の労働時間が6時間以下であるが生産量は日本と変わらない
日本の労働方法が如何に非効率的なのかわかるだろう
これまた日本では、成果を少ない時間で出すよりも長時間仕事に従事したほうが偉いという風潮がある
この風潮は海外では非常識らしい
一刻も早く、このバカみたいな風潮を日本人の意識から消し去ることが重要である
まとめ
私が感じた日本企業のダメなところはこの3つである
なかには的外れな意見もあるかもしれないがどれも考え方として間違っていないと思う
この3つは日本社会の癌である
これらの問題はこれからも日本の成長を妨げ、日本を衰退させるであろう
日本のサラリーマンは世界のサラリーマンと同じ土俵で戦っているのではなく、全く別の土俵で日本人同士で戦っているのである
これでは優秀な人間は日本から出ていってしまう
この現実的な問題と日本の低賃金の社会を前にして、会社の役員や無能な官僚たちは優秀な人材の流出を嘆くようなおバカさんなのだから救いようがない
この辛辣な社会人生活が変わる日は来るのだろうか
サラリーマンは、日本が変わる未来を期待するのではなく、しっかりと仕事をこなし、少しでも労働条件のよい他社への転職を考えるべきである
私としても少しでも早くこの息苦しい社会から脱出し、いかに社会と関わらず生計を立てていけるか、いかにして楽に金を稼ぐかを考えている